新型コロナウイルス感染症対策のもと、仙台聖泉一本杉キリスト教会で三浦綾子文学講演礼拝が行われました。


10時~ 礼拝・講演
今回は「道ありき」影響を与えた人々①と題して、講演がなされました。三浦綾子さんに影響を与えた人物として、前川正さんと西村久蔵さんが挙げられました。
①前川正
前川さんは、綾子さんと同じ結核患者でした。綾子さんは忙しい生活を送ることで、生きる目的が見出せない自分を見て見ぬふりしていたと言います。そんな自分のことを“精神的日雇”と表現しています。そして、一時的なものではなく、神が与える不変のものを求め始めます。そんな矢先に前川さんが現れ、2人は親しくなっていきます。
前川さんは綾子さんに、生きるとは権利ではなく義務であり、生きる目的は生き続ける中で分かるものだと教えました。更に、人間を頼りにするのではなく、神を頼りにして生きなければならないと言いました。大切な人はいつか亡くなってしまいます。しかし、神は生涯を通して、いつも共にいてくださる方です。
その後、前川さんは結核で亡くなります。綾子さんへの遺書には、「決して私は綾ちゃんの最後の人であることを願わなかった」と書かれています。前川さんの綾子さんへの愛は、自己中心の愛ではなく、綾子さんを生かす愛でした。聖書に基づく愛は、自分の利益を求めず、他人の利益を心がけることだと教えられました。
②西村久蔵
西村久蔵さんは、前川さんが紹介したクリスチャンで、綾子さんを度々訪問した方です。綾子さんは西村さんと聖書の学びをします。綾子さんは学びを続けていく中で、背骨が結核菌に蝕まれていることがレントゲン検査をするまで分からなかったように、魂の問題も同じではないかと考えました。心を蝕む罪が、聖書の言葉というレントゲンによって照らされ、一刻も早く洗礼を受けなければと思いました。その思いを西村さんに告白し、綾子さんは洗礼を受けることになります。
洗礼式で西村さんは、「病床において綾子さんを神のご用にお用いください」と祈りました。その祈りに綾子さんは、天地を創られた神に仕えることは、この世のどんな偉大な人に仕えるよりも素晴らしい、しかもギブスベッドにいる自分さえも用いられることに感動しました。神は世の中で何の役にも立たないと思われるような人を決して見捨てず、用いられる方だと教えられました。
☆参加者のコメント☆
三浦綾子さんに影響を与えたお二人に共通して言えることは、神様から受けた愛の実践をしておられる姿でした。それほどまでに人を動かす神様の愛に深く感動を覚えました。 (Kさん:50代女性)